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大嫌いな地元が大好きになったその先に、何が見えるんだろう? /”問い”を育む 高校生たちの物語 #37

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

ななみさんプロフィール

高校3年、栃木県在住。好奇心旺盛で、大好きなBTSの発信から地元鹿沼市の活性化、所属しているN高等学校のネットコースの交流ツール作成など、やりたいことが尽きない。高校2年から「生徒のやりたい」を応援してくれる課外活動・N/S高マイプロに参画している。

 

大嫌いな地元・鹿沼を、誇りに思えるようになりたい。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

地元の高校生約20名と共に、市役所の力を借りながら鹿沼市の活性化プロジェクトを推進しています。2021年から鹿沼市が始めている活動なのですが、自分をかえる、地域をかえる、という意味を込めて「かえる組」と名付けています。

 

1年目は発起メンバーとして、2年目の今年はプロジェクトリーダーとして、地元鹿沼市の魅力を内外に発信し好きになってもらう取組みを行いました。今年は9月に街ぐるみの文化祭を開催したのですが、5月頃から市役所と連携して高校生メンバーを20名募集し、ツアー・体験・物産班に分かれて企画を進め、市内外から多くの方に足を運んでいただくことができました。

 

いずれのチームでも大事にしていたのは「地元の人と交流できる」ことです。鹿沼市の魅力は、まず何よりも人だと思っています。ツアー班は鹿沼市マップを手にしながら参加者と街歩きを楽しむイベントを、体験班は鹿沼市伝統の“三本線”遊びを楽しんでもらう場を用意しました。そして、私が所属した物産班は昨年限定で販売した「はちみつクリームブリュレドーナツ」をはじめとする名物和菓子を、私たち高校生が接客をして地元の方に販売させていただきました!

 

高校生メンバー全員が集まるのは月1回と限られていたため、チームビルドや企画の練り上げに苦労したこともたくさんありましたが、班ごとに週1回のミーティングを開催するなど工夫しながら推進していく中で、多くの学びを得ることができました。

 

▲かえる組で9月に開催した文化祭の様子

 

Q:なぜこの活動に取り組むようになったのかを教えてください

この活動を通して鹿沼市のことを大好きになった今ですが、もともとは栃木県・鹿沼市が大嫌いで、良い所なんて一つもないと思っていました。けれど県外への進学を考え始めた時、「帰省した時に大好きな鹿沼に帰ってきた」と誇らしい気持ちになりたい、とふと思う時があり、自分が住んでいる鹿沼市をもっと好きになりたい、変えていきたい、と強く思うようになっていったんです。

 

そこからはあまり深く考えず行動あるのみでした。地元の活性化に携わっているのは市役所だろうと考え、「私は高校生ですが、鹿沼市をもっと魅力的にしていきたいのでお手伝いできることはないか」と市役所にメールを送ったところ夕方には返信をいただくことができ、ちょうど企画段階だったかえる組の立上げに参画させてもらえることになりました。

 

返信をいただいた時は本当に嬉しくて、どんな企画にしていこうか一晩中リビングで考えていたのを今でも鮮明に覚えています。

 

プロジェクトの推進に重要なのは、自分自身を変えること。そして、相手の背景を知ること。

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

2年間取り組む中で本当に多くの学びがあったのですが、大きくは二つあります。

 

一つ目は、メンバーの意識や行動を変えていくには、私自身から変わる必要がある、ということです。かえる組の活動は地元の高校生20名程と協働していたのですが、ほとんどのメンバーは学校からの強制参加で、やる気のある生徒はいませんでした。

 

1年目はそんな状態に私自身も嫌気が差してしまい「自分一人で進めていけばいい」と投げやりになることも多くありました。しかしリーダー職を務めることになった今年は、私自身ももっと鹿沼市を好きになりたいと願っていたため、積極的に全ての班活動に関与しにいき、活動の意義や楽しさを話すようにしていきました。その結果、3か月と短い準備期間でしたが、全員が「楽しかった」と言える文化祭を開催できたのだと思います。

 

二つ目は、立場によって多様な価値観がある、ということです。高校生だけでなく市役所の方々と企画を推進していくと、どれだけ私たちが良いと思った施策でも、却下されることも多くあります。

 

当初は、一方的に否決され異なるアイデアが起用されることが許せず腹立たしかったのですが、ある時職員さんが「もともとのアイデアが一番よかったけれど、工数や資金を考えると持続可能じゃない」と理由を添えて説明してくれる時がありました。その話を聞いた際、全員同じく鹿沼市の活性化を目指しているものの、立場によって歩く道のりや気にすることが違うんだ、と気づくことができました。

 

今後私は進学を機に県外に出てしまうのですが、こうしたたくさんの学びをくれたかえる組の活動が継続していくよう、かえる組の活動をオンライン配信して広めたり、今まで出会ってきた鹿沼市の魅力的な大人たちを紹介したり、より活動が前進するよう支援していきたいです。

 

カタリバオンラインは、自分では気づけなかった事に気づける場所。

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

最初のきっかけは、N/S高マイプロの中でカタリバオンライン for Teensを紹介されたことです。ちょうど受験が終わって落ち着いたタイミングだったこともあり、プレゼンテーションスキルに参加しました。

 

とにかくめちゃくちゃ面白かった!というのが率直な感想です。

 

まず、今まで「フィードバック」というのは、自分が質問したことに対してファシリテーターが答えのようなものを渡してくれることだと思っていました。けれどカタリバオンライン for Teensに参加してみると、大学生キャストがたくさん質問や率直な疑問を投げ掛けてくださり、自分でも気づいていなかった自分の長所や癖に気づくことが出来ました。

 

また、大学生キャストの高校生への関わり方もとても勉強になりました。プログラムがスタートすると同時に「今日は来てくれてありがとう!」と笑顔で参加者を迎え入れていて、その姿勢がとても温かい安心できる空気を作っていたんです。かえる組の活動の中で、やる気のないメンバーに対してどう働きかけたらもっと仕事をやってくれるのか…と悩んでいたこともあったので、ただ参加してくれたことへの感謝を伝えることをしたらよかった、と反省しました。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

青春は自分でつくることができます!」私自身もそうでしたが、ちょうどコロナの時期に学生だった皆さんは、校内外でイベントを企画しても実施できなかった、と悲しい気持ちになった人が多いと思います。

 

けれど、学校という枠を飛び越えれば、意外とイベントは自分でつくれるものです。世界の情勢に振り回されるのではなく、自分だからできること学生の今だからできることが必ずあります。コロナ禍でもできることを探してやってみてほしいし、コロナで無くなってしまった青春を、自分たちの手で作っていって欲しいと思います。